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獄寺くんはモテる
はっきり言ってモテる


そのことは揺るがない事実だ

実際獄寺くんがかっこいいなんて言ってる人は並中だけでも山ほどいるし
獄寺くんが好きだなんていう人もたくさんいる


今に始まったことなわけではないし

どうこう出来る問題じゃない



それでも...


仮にも獄寺くんの彼女である私は不安になるものは不安になる


獄寺くんがそういう人を相手にするとは思えないけど


なんだかどうしようもない気持ちになって
ある日獄寺くんに言ってしまったのだった


『ねぇ、獄寺くんてモテるよね』


「あ?何だ突然」

『ちょっと、いや凄く思ったからさ』


「んなもんどーだっていーだろ」

『だって、こないだの誕生日だってプレゼントとかあげようとしてた人いっぱいいたじゃん』


「あ?別に受け取ってねーし」


『そーは言っても獄寺くんのこと想ってる人はそんだけいるってことでしょ?なんか…』




「関係ねぇだろ」



『え』








関係ない


そう言われた





その一言が頭に響く




彼女だからなんて勝手に不安になって…



私の、思い上がりだったんだ







『そ、そうだよね…ごめんっ』






その場にいられなくなった私は今にも流れそうな涙をこらえ、それだけ言って教室を出た


「?おい!!」



























アイツがいきなり泣きそうな顔をして俺の前を離れた日

結局1日話すことは無く、そうなった訳も分からず終いだった






それから数日の間

アイツから話かけてくることはなく
会ってもほとんど会話をすることは無くて

朝会っても挨拶はするものの

名前の目は赤くなっており、泣き腫らしたたことなんてすぐに分かった





「っ!」

『……おはよう、獄寺くん』

「…おう。」





俺の中にはモヤモヤだけが残る















ある日の授業中

やはりまだモヤモヤは無くならないまま
半分イライラしながら考えていた



「苗字。…おい、苗字名前!」



突然呼ばれるアイツの名前




『…は、はい』


後ろから聞こえる明らかに元気のない返事


「大丈夫か?顔色悪いぞ。具合悪いなら保健室行ってこい」

『…すみません』





それだけ言って名前は教室を出た

教室をでるとき一瞬見えた横顔



俺はなぜか名前が保健室へ行ったとは思えなかった















どっかで泣いてんじゃねーのか…?












その時ふと頭をよぎる考え

そして

アイツの泣きそうな顔が頭にはっきりと浮かんだ



居ても立ってもいられなくなった俺は教室を飛び出し走り出した



目的の場所は

以前二人でサボったことのある非常階段。


あそこは死角になるし


なんだか名前がそこにいる気がして、しょーがなかった









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