1/2







目の前にひろがる夜空







貴方は今何してるかな


元気かな









昼間なら平気だって思えるのに

夜になると

急に寂しくなって


















マフィアという仕事

1週間とか帰ってこれない時は平気であって……


仕事だから仕方ないって分かってる

分かってるんだけど










こうやって貴方のこと考えてられるだけでホントは幸せなことなんだよね



分かってるはずなんだけど







足りないんだ




会いたいよ






もうすぐ帰ってくるからって自分に言い聞かせても


寂しい


心配













だめだな、

こんなに星が綺麗な夜は
隣に貴方が居ないことを強く感じさせる












ゆっくりと夜空から目を外した時だった





――――ガチャ

『!?』

玄関から物音がする

武くん…?


でも明後日にならないと帰ってこないはず…











「名前…?」

『!!』


私の目に入ったのは
やっぱりまだ帰ってくるはずのない彼の姿



「まだ起きてたのな!寝てるかと思ってそーっと来たんだけど…びっくりさせちまったか?」

『な、なんで?明後日じゃないと帰ってこれないんじゃ…』

「あぁ、今回予定よりはやく片付いてさ!はやく帰ってこれたんだ」













次の言葉を発する前に

私は武くんに抱きついていた




「ん、どした?」



泣きそうだ

言葉が出ない


何も話さない私の頭を武くんは優しく撫でてくれていた















やめて



優しくしないで













貴方を離したくなくなるから




本当のこと言っちゃうから












本当はずっと一緒にいたい









本当は一人で待ってるのは寂しい








本当は行ってほしくない
















本当はマフィアなんてやめてほしい











本当は



















数えたらきりがない

でも、これが全部わがままなのは分かってるから

この気持ちはそっと胸の内に閉じ込める










何よりも貴方の負担になりたくないから










私は待つよ


そして言うの







とびっきりの笑顔で














『おかえり』



















会えない時間の分

一緒に居れる時間は

大切に、ずっとずーっと大切に

過ごすから













lack of you

君不足






(次ページ→あとがき)


 ‖


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -