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14日バレンタインデー当日。






予想通り、山本のまわりにはたくさんの女の子






授業間もたくさん呼び出されたりしてるみたいで


それを見たくは無かった私は休み時間の度教室を抜け出し

出来るだけ山本の姿は目に入らないようにした。











昼休み

もちろん教室はすごいことになるだろうと思い
友達に今日はお弁当一緒に食べられないことを告げ

屋上に向かった







バレンタインだから屋上もやばいかなと思ったがそうでもなくて

私は屋上の隅に腰掛ける









――――ガチャ


「まじなんなの!!」

そんなときドアが開いて入ってきた女の子3人組み

2人はなんだか怒っているようで
1人はー…泣いてる?





聞こうと思ってる訳ではないが
騒がしくない屋上で彼女達の声は大きいため会話が聞こえてきた


やはり1人は泣いているようだ





「元気出しなって!」

「そうそう!男は山本だけじゃないよ!!」




山本…?



「…ありがとう…今年は山本君、まだ誰からも受け取ってないんだって」

「まじで?あんだけの人数全部断ってんの!?」

「なんか、ね、今年は受け取れねーんだ、悪いな…ってぇ、」




山本にチョコを渡そうとしたらしいその子はまた泣き出しそうになりながらそう言った





誰からも、受け取ってないんだ…



その時ふと頭をよぎる考え

私はその考えをかき消すかのように立ち上がろうとした


その時だった








「アイツ、誰か好きな子でもいるのかな」








1人の子がふとそう言った



山本に好きな子…









「ちょっとなに言ってんの!!」

「あ、ご、ごめん!!深く考えてなかった」

「馬鹿もう!!また泣いちゃったよー、」





チョコを渡したらしいその子はまた泣いてしまったようだった







さっきの言葉は実際私の心にもグサッと突き刺さっている訳で








山本に好きな子が…














ということは、だ


私が奴にチョコを渡してもそれは無駄なこと









その時、
聞こえてきたチャイムの音









授業が始まるため急いで教室へ戻ると
もう先ほどのうわさは教室中に広がっていたらしかった


「ねえ名前!今年は山本みんなのチョコ断ってるらしいよ」

『…へえ、もてる奴は違うねえ』

「へえ…って名前、渡さないの?」

『ええっ!!なんで!』



「なんでって…」


目の前の友人はにやにやしている



『…つか、みんなの断ってるんでしょ、だったら私が渡してもしょーがないじゃん』

「いや!!名前のだけは受け取ってくれるかも!」



友人の言葉に唖然とする


そんな夢みたいな話









あるわけがない









『そんなこと、あるわけないでしょ』


苦笑してそう言い席へ戻る







あるわけがない



知ってる、とっくに分かってるはずなのに



さっきの言葉に少しくらいなら
可能性があるかもと少し期待してる自分がいる






渡さないことにすれば

断られて、傷つくことはない


けど

渡さなければ一生このまま

断られれば、あきらめもつくんだろうか














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