お菓子教室開始!
「あぁだから違うってばお母さん!それは湯煎してから…」
「え?」
「……こういうギャップが男心を擽るのかねぇ」
『可愛いよね、蘭のお母さん』
こんなワタワタしてる所を見ると可愛らしいなって思う。
妃さんのお家でチョコレート作りを決行したのも、蘭の計らいによって毛利さんにあげる為だとか。
蘭先生が妃さんに付いているので私は園子に教えつつチョコレートを作っている。
工藤君はあんまり甘過ぎるのはくどくて沢山食べれないだろうから少しビターなトリュフにした。
時々、蘭が私達のチョコレートを見に来る。…妃さんの側から離れて大丈夫なのだろうか。
『園子は誰にあげるの?』
「三年の櫻井先輩よ!」
『あぁ……』
クラスの友達がバスケ部の主将が格好良いの!なんて話をしていたのを思い出す。
そういえば一回、話しかけられた事があったな。チャラいイメージが強かったから軽くあしらって忘れる事に専念した先輩。
……そんなに格好良いかな?あの先輩。
よっぽど工藤君の方が大人で格好良いと思うんだけど。
それに男の子に飢えなくっても、あと少ししたら京極さんっていう漢の中の漢!と出逢えるから心配しなくても良いのに。
『まぁ…うん、頑張って』
「見てなさい!この園子様の愛の詰まったチョコレートで櫻井先輩をゲットしてやるんだから!」
俄然やる気が出たのか園子のバックに炎が見えます。
熱い熱い!チョコが溶けちゃうよ!?
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