運命の人 | ナノ


クイーンのご登場



来週に控えたバレンタインデーの前の土曜日。
約束通り、毛利探偵事務所に待ち合わせてから蘭と園子と私で妃さんの家へ向かう。
途中、チョコレートの材料を買って行って準備はオッケー。
後は妃さんに会う為の心の準備だけだ。
きっと有希子さんと同じくらいキラキラしてて綺麗なんだろうなぁ。









ピンポーン、と蘭がインターホンを鳴らす。
お母さーんと蘭が呼んで数秒後、家の扉が開いて主が顔を出した。
……ふわぁ、やっぱりとっても綺麗。
こんな綺麗なお母様なんだから天使みたいな蘭が産まれるよね。
あれ?これ有希子さんに会った時も工藤君に対して同じ様な事を思った気がする。



「いらっしゃい。久し振りね、園子ちゃん」

「お久し振りです、おば様」

「……あら?」



妃さんの視線が私に向いてドキリとする。美人に見つめられたら、どうしたら良いか分からなくなります!



「友達の名前よ。冬休みが明けてから転校してきて今は新一の家にいるの」

『名字名前です。蘭と仲良くさせていただいています』

「名字名前……そう」

「お母さん?」



妃さんの視線が私にぶつかり細められる。
私は妃さんと初めて会ったのに、どうしてそんな目を……今の挨拶で可笑しな所があったかしら?



「何でもないわ。取り敢えず上がってちょうだい」



彼女の変化に私達高校生一同は小首を傾げてから家に上がった。
妃さんお菓子教室、というよりはきっと蘭ちゃんお菓子教室になるんだろうと予想しながら。

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