運命の人 | ナノ


乗り越えたテスト



「だからっ…何回も言ってんだろーが!ここは2なんだからxは10になってグラフはこうなる!」

『……あぁ!』


さっぱり分からなかったけど、工藤君のお陰で解決。グラフとか対称とか座標とか訳の分からない事が出てきた瞬間に諦めたから解けて良かった。




「オメー本当に高校卒業したのかよ」

『失敬だな君は。ちゃんと卒業したよ』

「……その学力で?」

『明日の朝ご飯、レーズンパンにしてあげようか?』

「すいませんでした」



まったくもう!理系は出来ないけど文系で頑張ってたんだから良いじゃない!
工藤君にとっては簡単な問題かもしれないけど、私は答えを見たとしても何でこの答えが出て来るのか分からなかったんだもん。


それからも工藤先生に教えてもらって問題を解いていく。
悪態をつかれつつも、やっぱり工藤君の教え方は上手くてどんどん頭に入っていく。…先生も向いてるんじゃないかな。





『……にゃー!ちょっと休憩しよー』

「もう休憩するのか?」

『頭がぐにゃぐにゃになって溶けそう…ベッド貸して』



もう眉間に皺が寄って目が痛くなるくらい頑張った。
ぼふっとベッドに倒れ込んで目を瞑る。……工藤君の匂いだ。
待って!?これじゃあ私ただの変態!



「…こんな問題簡単だけど」

『工藤君にとってはでしょ。私にとっては頭を悩ませるだけの数式です』

「現役の時はどうしてたんだか…」

『愛と勇気だけが友達だから、それで乗り切ってた』

「ふざけんな」




愛を向ければ数学の問題も解けるだろう、そう思っていた時期が私にもありました。
うん……かんっぺき眠たくて可笑しくなってる。
うつらうつらとし出した私の目には工藤君を見る気力が残っていない。
…寝てしまおうか。
ごめんなさい工藤先生、おやすみなさい。







次の朝起きると、工藤君のベッドを占領してしまった私の所為でリビングで寝させてしまったらしくソファに毛布が置いてあった。
一緒に寝るか、私の部屋のベッドで寝てくれて良かったのに。

起きて来た私の顔をじとーっと見て来たから苦笑してごめんなさいと謝った。
溜め息をつきながら、その後も私が質問しに行くと答えてくれるから優しいなぁと思う。




私の勉強に付き合ってもらった結果、今回のテストを無事乗り切る事が出来ました。
現役の時よりも高い順位!何もかも工藤君のお陰だ。

今度おやつにレモンパイを作ってあげようと心に決めたテスト明け。

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