運命の人 | ナノ


質問タイム!



今まで漫画みたいに上手くいっていた。
けど…アレもコレもと何もかも上手くいく訳ない。
だいたい工藤君に会って衣食住貰えただけで運を使い果たしているもの。
人生なんて…そんなものだ。





「家庭の事情により、今日からこのクラスに転校してきた名字名前だ」

『名字名前です。こんな時期の転校になってしまいましたが…皆さんと仲良く出来ると嬉しいです』




笑顔を見せる教室内にはさっきまで一緒にいた工藤君も蘭もいない。
それにしても…ちょっと堅苦しすぎたかな?その所為なのかクラスの子達は微動だにせずに、私を凝視している。…私、顔に穴が空きそう。

先生に席を案内されて椅子に座る。
その間にも視線の雨は止まず。た、助けて…!



先生が教室を出て行って、始まる高校生の授業。
……何年前に終えたと思ってるんですか、高校授業。
一限目は数学。…さっぱり分かりませんどうしよう。あぁ、見た事のある記号が並んでるけどあれってどう読むんだっけ?
早くも暗雲がたち込めています。








『ふぅ……』



取り敢えず一限目終了。やり出すとうろ覚えながら覚えていたらしく自分を心の中で褒めた。
家に帰れば秀才君がいるし…分からなかったら教えてもらおう。





「名字さん!」

『え?』



溜め息をついていたから分からなかったけど、私の周りにクラスの子が群がっていた。
な、何!?皆、笑顔で怖いんだけど。



「名字さん、前は何処の学校だったの?」
「顔ちっちゃーい!」
「朝、工藤君と毛利さんと一緒に来てたよね?どういう関係!?」
「可愛い転校生が来るとか漫画だけの世界かと思ってた」
「ねぇねぇ、彼氏いるのー?」
「いるだろー。もしかして遠距離恋愛とか?」



『ちょ、ちょっと…』



質問攻め過ぎてよく分からない。私は聖徳太子じゃないから何を言っているのか上手く聞き取れません!
……昨日の夜に考えていた自分の設定を話す。まぁ、中には元の世界の自分の事も話したけど。
質問の量が多過ぎて休憩時間の間に答える事が出来なかった。
もしかしてだけど……今日一日、こんな感じ?そんな事は無いと思いたい。

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