いたずらするよ!
0:58 31 Oct



部活が終わり、周りに誰もいないのを見計らって先輩の背中に体当たり。
今日の先輩は鍵当番らしく、部室の鍵を締めようとしていた。
かちゃり、という無機質な音と俺が先輩の背中に突撃したのはほぼ同時だった。
うわっ、と間抜けな声を上げたピンクのツインテールはごつん、と頭を扉にぶつけ、恨めしげに振り返る。

「……狩屋ぁ?」
「お疲れ様です先輩」

にっこり笑うと、盛大にため息を吐かれた。
ああはいはい、先輩だいぶ慣れましたもんね、俺の性格に。
なら話は早い。

「今日は何の日か知ってますか?」
「……お菓子は持ってないぞ」
「ですよねー、じゃあ」

悪戯してもいいってわけだ。
まあ、持っててもするけれど!
胸ぐらを掴んで顔を近付ければ、察したのか先輩は頭突きをかましてきた。
頭に走る、鈍い痛み。
つうか、なにこれ。

「いった……何するんだよ!?」
「こっちの台詞だボケ!」
「ぼっ…ほんと、可愛い顔して口悪ぃ」
「お前にだけは言われたくない」

ぷい、と口を膨らませて顔を背ける先輩。
心なしか、顔がちょっぴり赤かった。
指摘したら多分夕陽のせいにするんだろうなあとか何でこんなに可愛いんだろうとか考えると、笑いが込み上げてくる。

「……なんだ?」
「いや、先に悪戯されちゃったなって」
「意味わからない」




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