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「#年下攻め」のBL小説を読む
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3.aimed at precision [ 6/125 ]

 懐かしい夢を見る。
優しい夢。
なのに胸がキリリと悲鳴をあげて苦痛を訴えた。この気持ちは、言葉でどう表せばいいのだろうと思う。

「仕方ないじゃない!」
仕方ないなら次からはわかりあえる?
わかってもらえるのかな。
もう、研究対象なんていやだ。分析されなければならないような人間になんて、なりたくない。

 研究資料を見つけてはぐしゃっと潰したくなるのを堪えてファイルに束ね、マジックで番号をつけ作業をする。

りゅうじさんも、ちゃんと掃除してほしい。

「こういうのを見るのが嫌なのは、当たり前の感情だと思っていたっけ」
プライドが高いと思われてしまうようだから、もう言わないでおくということを学習したのは、わりと、最近のことだと思う。

「どした?」

かいせが横から声をかけてくる。
ハニーブロンドの髪。
無駄に優しくて、邪魔なくらいお節介だ。
だから、あまり甘えてしまわないように無愛想に接することにしている。
「……」

無視していると、ご機嫌斜めかー? と聞かれてしまった。
やかましい。

「話しかけるなと言ったはずだが」

「だって、お前、寂しそうだから」

答えない。
かいせは額に指先を当てて、かってに記憶を読み取る。
「……っ」

恥ずかしくなって目を逸らすと、よしよしと抱き締められる。苦しい。

「不安になるのは仕方がないよな。それで家族に気味悪がられてんだから仕方のないことだ」

もう少しデリカシーというか、オブラートに包んだ言い方はできないものかと思った。
でも、まぁ、いい。
気にかけてくれたことだけは伝わるから充分なのだろうか。

「俺……」

へらっと笑ってみる。苦しい。

「信じる人なんか、誰一人居なかったんだとそのとき思ったよ」

何処にも居られないのに一ヶ所に居なければならない。



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