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いきなり唸り出した俺を不思議そうに見つめる鈴。
すみません。俺を許して下さい。キスをしたら我慢出来なくなってしまいました。

自然に鈴をベッドの方へ促して、ゆっくり押し倒す。鈴は意外にも抵抗しなかった。

今度は先程よりも長く深く口付ける。唇の形を確かめるように、角度を変えながら何度も啄む。

一度、唇を離すと鈴はちょっとだけ熱った顔で、俺の両頬を痛くない程度に弱くつねった。


「キス、だけだからな」

「……努力する」





END.






その後、慶馬の家族が旅行へ行ったということが鈴にバレてしまった。鈴の疑惑の目がとても痛い。かなり痛い。


「でもちゃんと鈴が言ったこと守ったじゃないか。だから、やましい事なんて考えてない」

「はい?首筋に口付けたのはどこのどいつだ!馬鹿!変態!さっさと浮気しろ!」

「おい、それは禁句だって言っただろ。もう一回キスするぞ」

「断る!」

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