6/6 いきなり唸り出した俺を不思議そうに見つめる鈴。 すみません。俺を許して下さい。キスをしたら我慢出来なくなってしまいました。 自然に鈴をベッドの方へ促して、ゆっくり押し倒す。鈴は意外にも抵抗しなかった。 今度は先程よりも長く深く口付ける。唇の形を確かめるように、角度を変えながら何度も啄む。 一度、唇を離すと鈴はちょっとだけ熱った顔で、俺の両頬を痛くない程度に弱くつねった。 「キス、だけだからな」 「……努力する」 END. その後、慶馬の家族が旅行へ行ったということが鈴にバレてしまった。鈴の疑惑の目がとても痛い。かなり痛い。 「でもちゃんと鈴が言ったこと守ったじゃないか。だから、やましい事なんて考えてない」 「はい?首筋に口付けたのはどこのどいつだ!馬鹿!変態!さっさと浮気しろ!」 「おい、それは禁句だって言っただろ。もう一回キスするぞ」 「断る!」 [しおりを挟む] [mokuji] |