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その言葉に秀はこくりと頷く。真紀は急に慌て出した。わたわたして「変人じゃないから! あれは見なかったことにして、っていうかそんなにまじまじと見てないよね!?」と言い出す。


「な、メアド交換するなら早くしよ」


ガシッと両肩を掴まれ真紀の動きが押さえられた。真紀は頷くと、秀とメールアドレスを交換してそれぞれの場所に帰っていった。


  *


家へ帰った真紀は自分の部屋で一人はしゃいでいた。早速秀にメールを送ろうと思ったが、やることを全て終わらせてからメールしようと思って、宿題をやり始めた。


「今日は良すぎて何だか怖いな。もしかしたら明日遂に遅刻するかも!?
あ、しまった。友達借りてた小説読まなくちゃ」


本棚から小説を取り出して読み始める。しばらく読みふけっていると、下の階からご飯出来たわよーと叫ぶ母親の声がした。

はーいと返事をして何気なく携帯をズボンのポケットにしまって、階段を下りていった。

ご飯を食べていると携帯の着信音が鳴った。メルマガかな? と思ったら思いも寄らない人だったので、思わずむせてしまった。


「大丈夫?」

「う、うん!」


そう言いながら携帯をポケットにしまい込んだ。受信したメールは秀からだったのだ。


《こんばんは。清水秀です。
今日メールアドレスを交換しましたが、メールが届いていなかったので送りましたがちゃんと届いてますか?》


堅苦しい文章に、ふっと笑みが溢れる。真紀はメールの返事をするためにメールを打った。


《遅れてしまってすみません。ちゃんと届いてますよ。わざわざ送ってくれて有難うございます。
えっと、早速ですが秀って呼んでいいですか?それと敬語じゃなくていいですよ。》


こっちも堅苦しい内容かなと思いつつ、送信ボタンを押した。3分ぐらい経つとまた携帯が鳴った。こうして真紀と秀のメールのやり取りが続いた。

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