3/7 「なまもの?……じゃあ受け取るよ、ありがとう」 そう言えば彩は料理が得意だったな。くぅ、私が男だったら彩と結婚したい。 彩の表情を窺うと満面な笑みで私を見ていた。そして私と目が合うと、開けてもいいよと言った。 私は彩の様子を見て開けることにした。丁寧に包まれている包装紙を剥がし、出てきた白い箱の蓋を開けた。 ふわっと甘い香りが辺りに広がった。 彩が作ってきてくれたのはシンプルなショートケーキだった。 「すごい!これ、彩が作ったのか!?」 「当たり前じゃなーい!優香里のために頑張って作ったんだよっ」 自慢そうに言ってウインクした。 ……可愛い。彩は絶対モテる。これは私の身を賭けてもいい。 彩の髪色は薄い茶色で生まれつきなんだそうだ。長さ胸下まで伸びていて緩いウェーブがかかっている。今流行りのモテ髪って奴だと思う。 私服姿はよくスカートを穿いていて、お姉さんカジュアル系がとても似合う。 私はいつものように彩の頭を撫でた。えへへと嬉しそうに彩が笑う。 そんな毎日がいくつも続いていた……。 > [しおりを挟む] [mokuji] |