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「なまもの?……じゃあ受け取るよ、ありがとう」


 そう言えば彩は料理が得意だったな。くぅ、私が男だったら彩と結婚したい。


彩の表情を窺うと満面な笑みで私を見ていた。そして私と目が合うと、開けてもいいよと言った。

私は彩の様子を見て開けることにした。丁寧に包まれている包装紙を剥がし、出てきた白い箱の蓋を開けた。

ふわっと甘い香りが辺りに広がった。
彩が作ってきてくれたのはシンプルなショートケーキだった。


「すごい!これ、彩が作ったのか!?」

「当たり前じゃなーい!優香里のために頑張って作ったんだよっ」


自慢そうに言ってウインクした。
……可愛い。彩は絶対モテる。これは私の身を賭けてもいい。

彩の髪色は薄い茶色で生まれつきなんだそうだ。長さ胸下まで伸びていて緩いウェーブがかかっている。今流行りのモテ髪って奴だと思う。

私服姿はよくスカートを穿いていて、お姉さんカジュアル系がとても似合う。

私はいつものように彩の頭を撫でた。えへへと嬉しそうに彩が笑う。




そんな毎日がいくつも続いていた……。





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