7.1


私は今、深い森の中を歩いている。前には黒猫だった椿が黙って歩いている。

なぜこんな所を歩いているのかと言うと、椿が保健室の壁に扉みたいなものを出して、壁に魔法をかけて扉を出して‥‥、って言った方がいいのかな。その扉を開けると緑が広がっていた。

椿はちらりと私は一瞥して、扉の向こう側へ足を踏み入れた。一緒についてきてくれませんか、と言ったきり何も喋ろうとしない。

何を考えているのだろう。私は様々な疑問が頭の中で飛び交っていたが口を閉じたまま、椿の後をついていった。

森はとても綺麗だった。空気はもちろんのこと、色も姿も綺麗だ。見たことがない花が咲いているのを見れば、ここは私が知っている世界ではないということが分かる。


どれだけ歩いただろうか。ここの世界にいると時間感覚が狂う。前方に目をやると、太陽の光が差し込んでいる不思議な場所が見えた。立派な家も建っている。もしかしてこの場所に飛鳥さんがいるのかな。

木造で出来た立派な家の扉を開けて中に入る。中に広がる景色は、私の想像を裏切った。見た目は木造なのに、中は鉄筋で造られた部屋だった。

家具は綺麗に整えられていて、私たちが住んでいる部屋とそう変わらない。珍しいものは、本棚に立ててある本ぐらい。

それらの本はどれも異常に分厚く、どことなく古めかしい。家具や部屋が新しく見えるため、本棚があるそこだけが不思議な空間を作り出していた。

奥にある部屋に飛鳥さんはいた。豊満な胸が美しく見える服を着て、スカートは相変わらず短い。ブロンドの髪が肩から流れている。社長が座っているような、背もたれが縦に長いイスに座っていた。


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