1.5
「ああそうです。必ずしも猫全員が夜行性って訳じゃありません。人間と同じように昼に活動する猫もいます。極めて僅かですが」
「へぇー」
私はかけ布団を上げてその中にシルフを入れてあげた。動物も人間と同じように生きているから、温かくなる。
「そういえば、最近の猫用食品ってとても美味しいですねぇ。下手したら、人間より贅沢をしているのでは?」
「そう言われてみれば。──シルフって何歳?」
言いづらいけど、かなり老人くさいことを言う。語らなければ、人間に例えると無邪気な小学生か中学生くらい。話している限りではね。
「凛乃と同い年くらいですよ。15・6歳です」
「えぇ!?」
思わず声を上げてしまった。はっと口を押さえたが、既に遅かった。シルフは呆れたように私を見下ろした。
「その反応は何ですか。軽く傷つきましたよ」
「あはは」
シルフが私の家に来てくれたことで、部屋の中が明るくなったような気がする。お喋り相手もできたし、これからは寂しくなくなる。
私はいつの間にか眠ってしまっていた──。
*
「──乃。凛乃。起きて下さい、朝ですよ」
もう少し、と言おうと眠たい眼を開き、見えてきたものは‥‥朝日と、
上半身裸の美少年だった。
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