1.4


シルフは日本猫で、本当の名は椿と言うらしい。いかにも日本らしい名前だ。

でも、見た目ただの黒猫に“椿”と呼ぶのはちょっと恥ずかしいので(そうでもないか)、何も変わらずシルフと呼ぶことにした。

他にも話せる猫はいるのと聞いた所、シルフは分からないと言った。本来猫は誰でも話せるらしいけれど、話すには多少の努力が必要らしく途中で挫折する猫が多いのだと言う。

ちなみに、シルフは興味本意だけでここまで話せるようになったそうだ。猫にも天才がいるんだな。

ちょうど良いタイミング(と言ってもあまり関係ないんだけど)にママが帰ってきた。ママからエサをもらうと演技か、それとも本当に喜んでいるのか、嬉しそうに尻尾を立てて食べていた。

お風呂の時間になったので、シルフと一緒に入ろうと誘ったらきっぱり断られた。

理由を聞くほどでもなかったので聞かなかった。猫って水が嫌いだったような気がしたし。
就寝時間になると、遠慮がちにシルフが枕元にやってきた。


「あのー…一緒に寝てもいいですか?」

「いいよ。ねえ、猫ってさ、普通夜に活動するよね?シルフはやっぱり違うの?」


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「見えない臓器の名前は」
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