1.3


猫が……喋った?シルフが!?嘘っ!?
私はとても驚いた。確かにシルフの口が開いて喋っていた。シルフは平然とした顔で私の方に歩いてきた。


「貴方もですか。人間って何で人間が使う言葉で少しだけでも喋ると、そんなに驚くのでしょうか。それくらい猫だって出来ますよ。本当に人間は自己中心的な生き物ですね」


喋ってる…!喋ってるよ…!!信じがたいことだけど!
言葉が出ない状態だった。誰だって猫が喋ったら、驚くでしょ。

そう言われると、そうかもしれないけど。人間って大体そういうことに慣れてないし。


「凛乃さん?」

「わっ、ごめんなさい!あ、凛乃でいいよ」


さん付けはあまり好きじゃない。さんを付けられると何だか距離を感じてしまう。だから、呼び捨てだとかちゃん付けで呼んでほしい。


「では凛乃」

「何?」

「先程は私を助けて下さり、誠に有難うございます」


かしこまった口調で、前足を揃えてぺこりと頭を下げられた。つられて私も頭を下げた。


「別にそんな。それほどまでのこと、してないよ?」

「いえ、それでも感謝の言葉を言わせて下さい」

「はぁ」


徐々に猫が喋っているのに馴染んできた私は、シルフにいろんな質問をしたり聞いたりした。


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