6.2
「凛乃、授業を受けるか?それとも、もう帰るか?」
飛鳥さんが尋ねた。私は、はっとしてゆっくりと飛鳥さんに視線を戻した。
「あ、はい。受けます、私日直だったので」
「そうか、偉いな。じゃ、この紙を出席名簿に挟んでおいてくれ」
「はい」
それから私は授業を最後までちゃんと受けた。久々にちゃんと受けたので、時間がとても長く感じた。
帰りに友達とお喋りをして、カフェに入る。ここ一週間、友達と遊んで(大勢で)なかったので、楽しかった。
椿と出会わなければ、こんなような毎日を過ごしていたのかなと、ぼんやり思っていた。
家に帰る頃は、辺りが薄暗かった。
帰り道を歩きながら、私は心の中にあるモヤモヤを感じていた。
考えれば考えるほど、心のモヤモヤは霧のように漂って濃くなり、本心がますます分からなくなる。
「何です、マリアさん」
椿の声だ。なぜか胸がどくんと鳴る。
……何、コレ。
声がしたのは、公園の方だった。そこに、椿とマリアちゃんがいるのを発見した。見る限り、椿とマリアちゃん以外人がいる気配はない。
私は黙って二人の様子を見る。心が何か言っているような気がする。
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