5.4


クラスの友達の美穂子が、私を見つけてそう言った。
留学生?海外からわざわざここまで来たの?あっ、そうか。海外の人は大抵カッコイイから女の子も騒ぎますね、ってアレ?


「カロンくんっ!?」


勢いよく席を立つ。ちょうど歩いてきた金髪の美少年・カロンくんは、私と目が合うとにっこりと微笑んだ。

間違えなく彼だ。それにしてもすごい人気。他のクラスの女子も集まって、カロンくんに話しかけている。


「やぁ凛乃ちゃん。奇遇だね」


女子の人混みをすり抜けて、この前みたいに挨拶しようとしたから、私は思わず手を引っ込めた。

こんな大勢の中でそんなことをされたら、慣れてないこっちが恥ずかしい。カロンくんはなぜか残念そうな顔をした。


「これからよろしくね?凛乃ちゃん」


授業が始まるチャイムが鳴る。カロンくんは、私の席の隣に座った。カロンくんの周りにいた女子からの視線が、痛い。


「いいなぁ凛乃っ。カロンくんの隣で!」


‥‥替わることができるのなら、今すぐにでも替わってあげたい気持ちでいっぱいなんですけれど。カロンくんが嫌いな訳じゃないけど、よりによって何で隣なのーっ!


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