1.2
家に帰るなり、私は直ちにママに報告をした。
「ママー!!突然だけど、猫飼っていいー!?」
「あら凛乃。別にいいわよ」
キッチンに立っていたママがこちらに振り向いて答えた。フリフリが付いたエプロンを愛用していて、見た目若くて20代のお姉さんに見える自慢の母。ママの名は美智子。美智子さん素敵!いつ見ても美しいよっ!
「ホントっ!?やったー!!」
ママは微笑み、エプロンを外すとそれを椅子にかけた。私は舞い上がってシルフとはしゃいで微笑み合う。何だか、シルフも嬉しそう。
「かわいいわねーこの子。飼うとなったら、エサとか買わないといけないわね!ママ、ちょっと買いに行ってくるわっ!」
素早くカバンを手に持って、ママは家を出ていった。私は呆気に取られながらも行ってらっしゃいと言った。
意外とあっさり飼うことになったなー。
取りあえず、シルフをいつまでも抱いているのは何なので、私の部屋で降ろしてあげた。シルフは慎重に歩き出してベッドや家具の匂いを熱心に嗅ぎ始めた。
「にしてもかわいいなー。シルフがいるだけで癒されるよ」
「それは光栄です」
「‥‥え?」
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