4.4


「はい、着地成功」


目を開くと、隣の校舎に来ていた。カロンくんはゆっくりと私を降ろしてくれた。一瞬だけ、ふわっと浮遊感を感じたけど、何でもなかった!
良かったぁー!これで家に帰れるー!!


カロンくんは、途中まで親切に家まで送ってくれた。
家の帰る途中にある大通りの歩行者道路を、カロンくんと二人で歩きながら思い出していた。

前も椿と二人でこうやって歩いたなぁ……。また椿と一緒にどこかへ行きたいな。

信号が赤ランプに点る。私たちは足を止める。
すると突然、一匹の猫が道路を飛び出した。横を見ると、トラックが走ってきている。


「危ない!!」


叫んで飛び出したのは私ではなく、カロンくんでもなく──

椿だった。

何故こんなところに椿が、そんな問いよりも早く、私も無意識に飛び出そうとしたけれど、カロンくんに肩を掴まれた。


「椿────!!」


プァーとクラクションが鳴り響く。大勢の人がざわめいている。


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