3.4
とぼとぼと肩を落としながら川原を歩いていると、川のほとりにいる白猫を見つけた。
あれは、ウェルディ!?
私は走って白猫がいる所へ行った。
「ウェルディなの!?」
猫に尋ねても返事をする訳がないが、白猫はこちらを振り向いた。白猫の近くには、黒猫もいた。
シルフだ。シルフに違いない。
安堵した直後に、今度は怒りが込み上がってくる。
「シルフ!!どこに行ってたの!家にも帰ってこないで!」
母親みたいな言い方だけど、二日間いなかったんだからそれくらい言ってもいいだろう。ぴしゃっと言葉を浴びせられた黒猫は、びくっと体を震わせた。
「……仕方なかったんですよ。連絡しようにも、連絡するものがなかったのですから。現代普及している、携帯電話とやらが欲しくなりました」
「そんなことより、この子はウェルディ?」
白猫の前でしゃがんで、目線に合わせた。そのことに、白猫は顔を顰めて二本足で立ち、その場を歩き出した。
「え」
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