3.3


ただの幼馴染で、それ以上でもそれ以下でもない。恋愛対象外なんだから!

保仁は私に気が付くと、いつもの調子でよっと声をかけた。それから私の顔を見て、何かあったんだと即座に見抜かれた。


「何、困ってんの?」


私が必死に隠そうとしても、保仁はすぐに分かってしまう。隠しても無駄だと思い、私は正直に告げた。


「実は、シルフが家に帰ってこなくなっちゃって」

「シルフって、あの黒猫?」

「うん。瞳がブルーの」

「俺も探すよ。今まで探してたんだろ?」


何も言わなくても、そこまで分かってしまう。嬉しいような恥ずかしいような。でも、こういう時はとても助かる。それだけで、心配で不安だった気持ちが一気に軽くなった気がした。


「ありがとう」

「……。よ、よし!じゃあ探してみるか!」


少し間があったのは気になったけど、それを紛らすように保仁が私の腕を引っ張って探し始めたので、あまり気に留めなかった。




日が暮れてきたので、私たちは猫探しを断念して帰宅することにした。結局、ウェルディもシルフも見付からなかった。


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