2.13


椿は、買った靴を早速履いていた。靴を履いただけなのに、元々着ているパパの服が霞んで見えるのは、なぜだろう。

立っているだけで、椿は人の目を引く存在だった。




椿が欲しい物を全て買い終えて、家に帰宅した。かなりの荷物だったけど、ママは夕飯の支度をしていて、疑われることはなかった。

日は既に沈み、空に無数の星が瞬いている。私と椿は夜風に当たりながら、ベランダで月と星を眺めていた。


「今日は楽しかったです。付き添って下さって、ありがとうございました」

「こちらこそありがとう。私にも服を買ってくれて。楽しかったよ、私も」


嬉しそうに椿は微笑んだ。その表情は、綺麗でかっこいいのにどこかかわいらしい。元は猫だからなのかもしれない。


   *


友達と遊んでいて、道端を歩いている時だった。ふとカフェテラスを見ると、見覚えのある服を着たカッコイイ男の子と、真っ白なかわいいワンピースを着て、ウェーブがかかったブロンドのロングヘアの綺麗な女の子が、楽しそうに話している。

男の子はすぐに分かった。あれは、椿だ。女の子の方は、見たことがない人。あんなにかわいい人、近所にいたかな。

一体誰なの?ねぇ、椿……







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