2.12
「この靴がいいです」
いかにも高級そうなツヤツヤした黒い皮が使われていて、アクセントにベルトとチェーンが付いたおしゃれな靴を選んだ。
どれどれと値段を確認をしてみれば、2という数字と0が四個。に、二万‥‥。それぐらいするよね、と思いつつ財布の中身を見てみる。
すると、椿は私を見て微笑みかけてきた。
「お金のことでしたらご心配なく。どこにしまったかな」
そう言って、ポケットを探る。あった!とポケットから出てきたのは、黒く輝くカードが出てきた。
「これで全ての物が買えるらしいので」
満面な笑みでにこっとする。このカードって、よく漫画で出てくるアレ?金色通り越してない!?
「にこっじゃないでしょ!どこで手に入れたのっ!?」
「それは言えません。すみません、これください」
言えないって……。裏ルートで手に入れたのかな。そもそも、クレジットカードは未成年ましてや就職してない人が使えるものじゃない。(それ以前に“人”じゃないし)
それも、ゴールドではなくブラック!桁が違うよ!リーマンでも、ゴールドがせいぜいなのにブラックって!
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