2.11
「じゃあ私は部屋を出ますね。玄関で待ってます」
「うん」
即座に猫の姿になり、シルフは部屋を出ていった。
服かー。何か新鮮!シルフも服が欲しくなる年頃なんだな、って年寄りくさいな私。
‥‥美少年と二人きりか。デート?あはは、何意識しちゃってるんだろ。向こうはそんなつもり全然ないに決まってる。ましてや元は猫だし!
「ママ、ショッピングしてくるから」
「そう、気をつけてね。あら、シルフも?」
「え、ええーっとそうみたいね。い、行ってきまーす!」
私はぎこちない動きをしながら、急いで家を出た。後ろにはちゃんとシルフがいる。我ながら、すぐに疑われそうな口振りだろうか。
取りあえず家から出ることに成功したので、私はシルフを抱き上げて歩き出した。
「さ、行こうか。まずは靴を買いに!」
「はい、そうですね。靴を買うまではこの姿でいることにします」
家から少し離れた場所にある商店街の靴屋に入り、シルフの好みの靴を探す。靴は履いてみないと分からないので、時々椿になりながら探した。
もちろん、シルフから椿に変わる時は、周りに誰もいないか確認してからで!
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