2.9
ここで気が合わなかったら、ケンカなんてしてしまうかもしれない。息を呑んで二匹(一匹と一人?)の様子を見守った。
ニャーとまずシルフが鳴いた。挨拶でもしているのかな。続いてウェルディもシルフよりも高い声で鳴いた。
シルフの鳴き声はかわいらしい感じで、ウェルディの鳴き声は上品な感じがした。何となく違和感がしたけれど、そこまで深くは考えなかった。
そう思った矢先、どうやら気が合ったらしくシルフとウェルディは、じゃれ合い出した。
うーん見ていてとても和む光景。
梨絵がいつの間にかその二匹の姿を、携帯で写メっていた。一回シャッター音が鳴ったけど、まだ携帯をいじらない。
もしかして、ムービー?その志、すごい。いや、単なる猫好きか親バカかな。
しばらく、くだらない学校話やドラマなど雑談を三人でした。相変わらず保仁はどこか落ち着きない感じだった。
すると、梨絵の携帯が鳴った。メールではなく電話だったらしく、梨絵は部屋から出て行く。その間、保仁とシルフが戯れているのを見ながら、梨絵が戻ってくるのを待った。
保仁はシルフが大人しいことをいいことに、シルフの手を掴んで遊んでいた。その時のシルフは、少し嫌な顔をしていた。猫でも嫌な顔ってできるんだ、とか思ったり。
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