2.8


ほら来た。梨絵の家も保仁の家もそんなに離れてないから、こんなに早く来れるんだよね。それにしても、いくらなんでも早すぎでしょ。


「はーい」


取りあえず返事をして、私が階段を下りて玄関に向かうと、ウェルディを抱いた梨絵とよっと軽く手を挙げて挨拶した保仁が立っていた。

服は制服だ。私と一緒で着替えるのが面倒なんだと思う。私の偏見かもしれないけど、今の高校生は大体が制服で行動することが多いと思うんだよね。

それと、着替えていたらこんな早く私の家に来れる訳がない。うん。


『お邪魔しまーす』

「どうぞ」


梨絵&ウェルディ+保仁は私と一緒に私の部屋に入る。中に入ると、シルフはベッドの上で丸くなって寝ていた。うん、そのへんの猫っぽい。

保仁は何やら私の部屋をじろじろ見ていたけれど、特に気にしなかった。梨絵は即座にシルフを見つけてウェルディを床に下ろし、シルフの傍に近寄った。


「この子がシルフ?かわいいー」


シルフの頭を撫でて梨絵が呟く。自由になったウェルディは、部屋の匂いを嗅ぎ始めた。それから、ウェルディがベッドに飛び乗り、シルフに近寄った。



- 13 -

[*前] | [次#]
しおりを挟む

第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -