2.7
そんな訳で、シルフは自由に人間になったり、猫になったりできるようになった。
授業が終わるチャイムが鳴る。今日一日、頭の中はシルフだらけで授業の内容なんて全然入らなかった。梨絵と話していても、何だか落ち着かなかった。
「凛乃ー!帰ったらすぐ凛乃の家に行くねー!あ、鳴海も来る?」
「んじゃ俺も行こっかなー。シルフって猫、気になるし!」
「よし!じゃ、よろしくね凛乃」
「うん。…って、えぇ!?ちょっ梨絵、保仁ー!!」
バイバーイと手を振って自転車に乗った梨絵と保仁は、走り去ってしまった。
梨絵と保仁が家に来るの!?ヤバくない!?早く帰ってシルフに言っておかなきゃ!
「シルフ聞いて!友達が家に来るの!!だからっ」
「大人しくしててほしいのですね。分かりました」
部屋に戻るなり私が言った事情に、シルフは冷静に判断し答えた。何かを食べた後らしく猫らしく顔を洗っている。猫らしくというか、見た目は本物の猫だけど、一応。
私はカバンを机の横に置いた。着替えるのは後でいいや。どうせすぐに梨絵たちが来るだろうから。
ピーンポーン
「凛乃ー!梨絵ちゃんと保仁くんが来たわよー!」
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