2.4


「今日は早いわね。学校に何かあるのかしら?」

「べ別に何もないよ。ところで何?用があってここに来たんでしょ?」


ベッドの方をなるべく見られないようにして、ベッドと反対の場所に立つ。この空気を読み取ってくれたのか、椿はじっと大人しくしている。


「そうそう、シルフちゃんを探しているのよー。家の中、探し回ったけどいなくて、凛乃の部屋にいるかなーと思って!知らない?」

そう言って私の部屋を見回してきた。ヤバイ、バレる!ママ様、どうかベッドには触らないで!お願いですから!

と祈るような思いで、ママの様子をハラハラしながら見つめていた。
ああ、もうダメだ。思っている傍からママが布団に手をかけた。そして布団を持ち上げる──


「ニャー」

「やっぱりいたわ!シルフちゃん借りるわねー」


ん?どういうこと??
普通の黒猫?戻ってる!?
シルフはママに抱かれ、こちらを見ながら連れ出されていった。




チャイムが鳴り響く。本鈴である。
廊下を走っていく生徒の中を掻き分けて、自分の教室へ向かう。


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