2.3


私は中肉中背。カワイイ訳でもない。至って普通。髪は染めていないから黒で、長さはセミロング。

さて、どうしたものか。私はこのシルフを隠して過ごすのか。それとも、事情を説明してここに住ませてあげるのか。


「まず人間の姿でシルフと呼ぶのはやめておくね。人間の時は椿、猫の時はシルフで。あと……、猫の姿に戻れる?」


私の言葉にシルフ(椿)はかわらしく首を傾げる。


「さあ。何をしたらいいのかさっぱり」


それを聞いて私はふぅと溜め息をついた。ママがこの状況を見たら、何と言うだろうか。パパに見られたら、怒鳴られるだろうか。

その時、ガタガタと廊下から物音がした。この音はママだ。


「シ、椿!ちょっと隠れてて!!」


ええ?と戸惑う椿を素早くベッドに隠す。簡単にバレそうな感じだけど、この場しのぎなら大丈夫だと信じよう。

椿をベッドに隠したと同時に、コンコンと扉をノックする音がした。


「凛乃、起きてる?」


やっぱりママだ。


「うん、起きてるよ」

「じゃあ入るわね」


何でこういう時に限って入るの?ツッコミたくなるけど、不審に思われるといけないので言わない。
扉が開かれる。ママが入ってきた。


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