プラトニックを探して


気が付けば、わたしは相手に包まれていた。いつの間にか、流れでそういう状況になっていた。

滴る汗が一つに溶け合う。艶やかな表情。妙に憂いを満ちた顔が、感情を高ぶらせる。わたしを求めるその姿が、とてもそそる。

絡まる指先にも熱を帯びて、わたしは相手を見つめる。そして、貪るように口付けをする。

ひとときの快楽を求めても、わたしは空っぽ。何も満たされない。順序を間違えているのは、これが初めてではない。

わたしが求めているのは、“愛”ではないのに。

けれど、人間の欲望には逆らえない。いつもわたしは矛盾している。分かりきった事実。

それでも、今日もわたしは探してる。
性別を越えた“絆”を。