二十面相百面相
僕は彼女が嫌いだ。いつも本心を隠し滑稽に振る舞う。どうしても好きになれない。ある時、指摘してやったんだ。
「いつも気持ち悪く笑ってんじゃねえ―よ。」
そう言うとビックリした顔に一度なったが直ぐに嬉しそうな顔に変わった。
まるで神様でも見ているかのような表情だ。
その日から彼女と一緒にいるようになった。相変わらず彼女が嫌いな事は変わっていない。
いつもいつもいつも。いい顔しかしない。他人に嫌われるような事はしない。他の人から見たら彼女の第一印象はポジティブで元気のいい友達の多い子だ。大抵の人間が彼女の事をこう言うだろう。実際は全く違う。いつも理解されたくて自分が理解出来なくて、ネガティブだ。
理解してくれる人間に出逢えた、それが僕だ。
普段はただのクラスメイトとして接しているが二人きりになると彼女の悩みを聞いたりなんだり。
ああ、嫌だ嫌だ。なんで彼女の正体を見破ってしまったのだろう。こんな依存的な女なんか嫌だよ。
「×××してみたら?それで駄目だったら諦めるしかないよ。」
「そうだね…。ありがとう、頑張ってみる。」
また相談にのってやった。めそめそとしているなんて煩すぎて嫌だ。だから彼女が嫌いなんだ。それに彼女は理解して欲しいと言ってばかりで理解しようとしない。それだから理解されないんだ。それにしても彼女、僕を信用したことが誠に残念だね。
さて、彼女はこれからどうするかな?




11/04/23


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