迷走
 路地裏と言うものにどうしてもわたしは魅力を感じてしまう。家と家の間がどこかに繋がっているのではないかとみるたびに感じてしまう。
 建物の隙間ならどこでも良い訳ではない。古い家と家の間だったり、閉店してしまった商店の間だったり、あとほかに魅力を感じるとすれば家と家に挟まれた鳥居だろうか。過去に一度だけみたことがあるのだがあれにはとても魅力を感じた。思わず写真をとりたくなったが車に乗っていたためとることは出来なかった。こんなことを友人に言えば笑われるのがオチなのだがいかんせん止めることが出来ない。止めようと思ってもいつの間にか目で探してしまう。
こうなったのは何かのアニメのせいだと思う。路地裏を突き進むと視界が開け美しい光景が広がる。そんなアニメだった気がする。それからだろうか。路地裏に目が行くようになってしまったのは。長らく路地裏を探してきたが突き進んだ先に美しい光景が広がっていたことはなくて表からみただけで行き止まりだと分かる路地ばかりだった。
今も路地に入っているがもう少しで行き止まりだ。
薄暗いそこにいる理由もないしそういう場所なんてないことは最初から知っていたのだ。


111228


prev next

bkm
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -