ワタシはアンドロイドです。ワタシを作ってくれた方がそう言っていましたし、アンドロイドだと元からプログラムしてありました。 何よりの違いは体温です。ニンゲンには体温がありますが機械には体温はありません。温度を感じたとしてもそれは、中の歯車が回って出来る熱なのです。 数日前に目覚めました。目覚めた、と言う表現は可笑しいかもしれませんね。完成したのです。 ワタシは何かに使われるそうです。これが造られたモノの運命でしょう。でなければ造られた意味が解りません。 「さぁ、×××行こうか」 「はい」 先程知ったのですがどうやらワタシは「とある人」の使用人だか付添人だとかで。機械を付添人にするとは酔狂な人ですね。それとも信用の置けないニンゲンを近くに置くよりは機械の方がいいと言う事でしょうか。 「止めてくれ、止めてくれ、私には…」 ブシュ、と音がしてワタシを造った人が真っ赤になった。 「人格矯正はもっと早くにするべきだったね」 誰だろうか。ここはワタシを使う人がいる部屋のはず。それとも今目の前にいる人がワタシを使う人なのだろうか。 あれ、人って殺していいんだっけ?駄目ではなかったっけ?あれ、でも目の前の人は殺してしまった。 どっちなんだ。プログラムを信じればいいのか目の前の事を信じればいいのか。 「君も殺される人かい?」 目の前の人が言った。 あれ、ワタシはアンドロイドだ。だから殺されないな。後ろに人でもいるのかな? 振り返っても人はいなくて最後にみた光景は真っ赤に染まった白い部屋だった。 11/04/25 11/07/30 拍手収納 bkm |