掃き溜め | ナノ
迅にはお見通し

ピンポーン ガチャ

「よう、名前。」
「どうして来たの迅悠一くん。」
「そりゃあ遊びに。」
「(なんでこのタイミング)今日遊べねーから。」
「えーなんでだよー。」
「なんでも。ほら帰った帰った。」
「AV見るくらいなら俺と健全に遊ぶべきだ。」
「(なんでバレてる)は?なに言ってんだ帰れ。」
「図星をつかれると早口になるって気づいてる?」
「(でらこわい)…いいから帰れ。」
「やだよ。」

ガッ

「なんで閉めようとするかなー。」
「なんっだよ!いいじゃねえか一人にさせろ!」
「見るんならなおさら帰らないよ。」
「なにお前俺が興奮するとこでも見てえの?!」
「うん。」
「だったらかえっ、れ…あ?」
「おれは、名前が興奮してるとこが見たい。」

呆然とする俺をよそにこいつはするっと家へ入り込んで、母さんにもみつかってない隠し場所からDVDをみつけてみせた。

「ほら、見よう。」

さっきのは嘘だとか冗談だとかそういう言葉を一言でも口にしてくれればいいのに、迅は薄く笑ってDVDのパッケージをゆっくり揺らすだけ。

いやもう、正直そんな気分になれないよね。


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