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…確かにエルレインのところに行ったら、傷つかず、幸せになれるだろう。

だが、それは偽りに過ぎない。

18年前、スタンは僕のことを友達と言ってくれた。

あの時はとても嬉しかった…。

僕には、友達なんていなかったから……。

だが、僕はスタン達を裏切った。

マリアンを人質に取られ、あの時はどうしようもなかった…。

そんな時でも、スタンは僕をまだ友達と言ってくれた。

もうそれだけで十分だった。




スタンの息子、カイルなら受け入れてくれると思った…。

いや、そう願った。

だが、今のカイルは信じないという顔をしている。

…僕は、何処に行っても一人だとやっとわかった。

所詮僕は裏切り者…。

居場所を求めてはいけないと……。


「……」

《坊ちゃん…》

「さあ…」


エルレインが手を差し伸べてくる。

……僕は…僕は、もうとっくに答えは決めている。

たとえ誰が何と言おうと……。








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