2/4
…確かにエルレインのところに行ったら、傷つかず、幸せになれるだろう。
だが、それは偽りに過ぎない。
18年前、スタンは僕のことを友達と言ってくれた。
あの時はとても嬉しかった…。
僕には、友達なんていなかったから……。
だが、僕はスタン達を裏切った。
マリアンを人質に取られ、あの時はどうしようもなかった…。
そんな時でも、スタンは僕をまだ友達と言ってくれた。
もうそれだけで十分だった。
スタンの息子、カイルなら受け入れてくれると思った…。
いや、そう願った。
だが、今のカイルは信じないという顔をしている。
…僕は、何処に行っても一人だとやっとわかった。
所詮僕は裏切り者…。
居場所を求めてはいけないと……。
「……」
《坊ちゃん…》
「さあ…」
エルレインが手を差し伸べてくる。
……僕は…僕は、もうとっくに答えは決めている。
たとえ誰が何と言おうと……。
→
[ 15/23 ][*prev] [next#]