「小野くん本当気持ち悪い」
「馬鹿じゃねぇの?」
「駄目だこいつ」
今まで言われ続けた罵倒の数々。
それは今となっては当たり前のことであり、俺自身も何を何回言われたかなんて忘れた。
……でも、
「神谷さんっ」
「んー?」
恒例となった某ラジオ収録の楽屋。
俺より少し遅れてやってきた神谷さんは、今絶賛一狩り中だ。まぁ、俺もだけど。
「このドラゴン倒したらお菓子食べていいですか?」
「……うん」
「今日はいい天気ですね」
「……うん」
「明日も晴れるそうですよ」
「……うん」
「俺のこと好きですか?」
「……」
何 故 答 え な い 。
今の流れからして「俺のこと好きですか?」「うん」の会話が成り立つはずでしょうが! それを狙ってやったのに!
単純過ぎる俺の回路が神谷さんにかなうワケもなく、ゲームそっちのけで机に突っ伏した。
すると俺の操作キャラは簡単にやられてしまったようで、ゲームオーバーの文字が画面に写し出される。
「ちょっと小野くん、何やられてんのさ」
「いや、精神的ダメージのが大きくて……」
そのままの体勢で はぁ、と溜め息を吐くと彼はゲームの電源を切ってラジオの台本をチェックし始めた。
うぅ……どうしたのかも訊いてくれない……っ。
「神谷さぁん」
「なんだよ」
「……デレて下さい」
そう言いチラ、と下から見上げるように視線を向けた。
するとこれでもかと言う程に不機嫌な表情をした神谷さんと目が合う。
「小野くんさぁ、」
「はい?」
「1回死んで生まれ変わってきたら?」
それはそれは、言葉では言い表せない程のどす黒いオーラを放っていました。
ツンデレにデレは必要です
(神谷さんのデレは貴重だ……)
(なんか言った?)
mi●iでお世話になってる友人のリクです(笑
ツン過ぎる浩史をくれと言われたので。
あれ、でもツンってこんなだったっけ?
……まぁ、いいか。
でもやっぱり最後にはデレさせたくなります。性分ですかね。