五話


善逸さんと伊之助さんが機能回復訓練に来なくなってから、炭治郎さんは余計訓練を頑張るようになった


それに答えるため、私も少しでも栄養がつくように、ご飯や差し入れを工夫する


まぁ可哀想だからたまに伊之助さんや善逸さんにもあげてるけど、基本的に私の差し入れ先は炭治郎さんだ


「ふう…」


『はい、差し入れです』
 

「あ、ありがとうございます!」


今日は梅昆布のおにぎりだ


「ん、梅昆布だ!俺、好きなんですよ!」


『あ、そうなんですか?ふふ、よかったです』


炭治郎さんがもぐもぐ食べるのを眺める


『…美味しいですか?』


「はい!みのりさんが作るのは何でも美味しいです!この間のかすていら?でしたっけ、も、すごく美味しかったですし!」


『ふふ、よかった』


私は嬉しくなって笑う


「…ん、でも、毎日こんなにたくさん大変じゃないですか?」


『そうですねえ…慣れました』


一旦食べ終わってからそう問いかけてくる炭治郎さんに、私は苦笑する


『別に私一人が大変な訳じゃないですからね』


と言うと、炭治郎はポカンとした


次にふっと笑って


「…優しいですね」


『?そうですか?』


「はい、優しいです」


『…ふふ、ありがとうございます』


なんだか照れ臭くなって笑う


炭治郎くんも笑ってくれた


「…よし!また頑張ります!」


『はい!頑張ってくださいね!』


私がおにぎりの入っていた籠を片付けると、炭治郎さんは訓練に戻った



それを伊之助さんや善逸が見ていたなんて、私は知らなかった



 

  


小休止

(くううう!!炭治郎のやつみのりさんとあんなに近づきやがって!!)(あれ旨そうだな…)



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