四話


善逸さんが機能回復訓練に参戦してから数日、初日こそ女の子とふれ合えるからとニコニコしていた善逸さんだけど、だんだん笑顔が消えていった


炭治郎さんも伊之助さんも、女の子に負けることが堪えるらしく、毎日ひいひいいいながら訓練に挑んでいた


「…遅いですね。みのりさん、見てきてくださいますか?」


『はぁーい』


差し入れを準備して待っていたものの、とうとう来るのを拒否し始めたかなぁ…と思い始めた日


私はアオイさんに言われたこともあって炭治郎さんたちの病室に向かった


すると…



「ええええやだやだいきたくなぁぁぁい!!」


「行くんだ善逸!ほら、伊之助も!」


「俺はいかねぇ!」


「行かないじゃないだろう!」


…どうやら炭治郎さんが善逸さんと伊之助さんを一緒に行こうとなんとか説得しているようだ


『失礼しまーす。大丈夫ですか?』


「あ、みのりさん…すみません、今行きます!ほら、善逸!伊之助!」


「「ふんっ!」」


「お前たち…」


揃ってそっぽを向いた伊之助さんと善逸さんに、炭治郎さんはため息をついた


『お疲れさまですねえ…かすていら食べますか?』


「え、いいんですか?」


『はい、頑張っている炭治郎さんだけ特別です』


「ええええ!!炭治郎だけずるい!!」


「俺たちにも寄越せよ!!」

私が篭から炭治郎さんにかすていらを差し出すと、善逸さんと伊之助さんが騒ぐ


『駄目です♪かすていらは頑張る人へのご褒美ですから♪』


「ええええ…」


と笑顔で言うと、善逸さんが残念そうに悲鳴をあげる


「くそっ、たんごろうだけずるいぜ!」


『貴方達が炭治郎さんを頑張らせたんでしょ〜さ、行きましょ?炭治郎さん!』


「え、いいんですか!?」


『いいのいいの!』


と笑いながら私は騒ぐ善逸さんと伊之助さんを置いて、炭治郎さんの手を引き訓練場へと向かった






頑張る人へのご褒美

(そのかすていらはアオイさんとカナヲちゃん、キヨちゃんスミちゃんナホちゃん、しのぶ様と炭治郎くんと食べました)



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