三話


・アニメネタバレあり





あれからしばらくして、竈門さんこと炭治郎さん、嘴平さんこと伊之助さんは先に機能回復訓練を始めた


我妻さんこと善逸さんの話によると、毎回萎れて帰ってくるらしい


まぁきっっっついからねぇ…


それを難なくこなしちゃうんだからカナヲちゃんは凄い


まぁカナヲちゃんも努力したんだろうけど


翌日に善逸さんが機能回復訓練に行く日、私が薬とご飯を持っていくと


「ねえねえ教えてよおお!!」


『…ご飯の時間ですよー』


また騒いでるなぁと思いながら、部屋の扉を開け、食事を運ぶと


「ああっ!みのりちゃん聞いてよ!!こいつらさぁ帰ってきても機能回復訓練の話してくんないから俺不安で不安で!」


と泣きながら善逸さんに言われたので


『大丈夫です、善逸さんならできますよ!』


「本当ー!?」


と言っておくと、善逸さんはハートマークを飛ばしながら体をうねうねとくねらせた


『はい。頑張ってくださいね!』


「うん!俺頑張る!」


『はい!』


本人が頑張るならそれでよし


食事が終わったところで薬を飲んでもらい、私は部屋を後にした


私が庭に面した廊下を歩いていると


庭に誰かが来た


『…?』


「僕だよ、みのり」


『あ、時透様!』


私は慌てて庭に降りて時透様に駆け寄る


『どうかされましたか?』


「うん、何してるかなって」


『え、普通に頑張ってますよ…?』


時透様は私のことを気にかけてくださっているのか、時たま様子を見に来てくださる


『時透様はいかがですか?』


「うん、まぁまぁかな」


『そうですか。…あ、頬に血が』


慌てて手拭いで拭って差し上げると、彼は驚いたように目を見開く


『…あの…?』


「…ううん、なんでもない。誰にでもこんなことしちゃだめだよ」


『え…?』


「じゃあね」


それだけ言うと、時透様はこの屋敷を後にした




風のような人

(一体なんだったんだ…)



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