二話


竈門さん、我妻さん、嘴平さんが来てしばらく


怪我の経過も良い


しのぶ様によると、もうすぐ機能回復訓練を始めるらしい


『はい、ご飯です』


「わーい!ありがとねぇん!」


「…ありがと」


「ありがとうございます!」


『いえいえ!嘴平さんはくれぐれも喉に負担がかかる食べ方はしないでくださいね!』


「…はい」


どうやらこの三人は仲が良いらしく、三人で(今は主に我妻さんと竈門さんが)話している


「…ご馳走さまでした!」


「ご馳走さま…」


「ご馳走さまでした!」


『はい、お粗末様でした!次は薬です!』


三人にそれぞれが薬を渡し、飲んだのを確認すると、私は三人の部屋を出た


その他も終えると


『…よし、掃き掃除でもしますか』


庭の掃き掃除を始めた


そこへ


「胡蝶はいるか」


音もなく現れたのは水柱の冨岡様


『あ、冨岡様!お疲れ様です。しのぶ様はただいま屋敷内に居られます。なにかご用ですか?』


「薬を貰いに来た」


表情を変えずにそう言う冨岡様に、私は頷き、屋敷の中に入ろうとするが、ばっと腕を捕まれ


「お前が持ってこい」


『…え、私がですか?』


「胡蝶には俺から言っておく。急いでいるんだ」


と言われ、ああなるほどと納得した私は、慌てて冨岡様の薬を持ってきて、冨岡様に渡した


『はい、こちらお薬になります』


「助かる」


そう言うと、私が一歩下がるとシュンと消えた


本当に急いでいたのだろう


私があっけにとられているとしのぶ様が現れた


「あらあら」


『え!?しのぶ様、見てらしたんですか!?なら声をかけてくだされば良かったのに…』


「良いんですよ。冨岡さんはみのりさんと話をするために毎回ここまで薬を取りに来ているのですから」


と言われ、私はは?という顔をする


冨岡さまが?どういう意味…?


「ふふ、意味はそのうちわかりますよー」


しのぶ様は楽しそうに笑っているだけで、教えてはくださらなかった









水柱との遭遇

(確かに毎回来てもしのぶ様には会わず私が渡しているけど…なぜ…?)



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