十二話


蜜璃さまから匂袋をもらった次の日…


私は、しのぶさまに言われて、町までお使いに来ていた


『えーっと、ひぃ、ふぅ、みぃ…あとは…』


買うものの覚書を見ながら町を歩いていると、誰かにぶつかってしまった


『わっ…!!あ、すみません!』


慌てて顔を上げて謝ると、私がぶつかったのは、炎柱の煉獄様だった…


『…あれ、煉獄さま…?』


「嗚呼!久しいな!みのり!」


『はい、お久しぶりです、煉獄さま』


私がそう挨拶すると、煉獄さまは朗らかな笑みを浮かべた


「今日はこんなところへどうした?買い物か?」


『はい、そうなんです』


私が買ったものを煉獄さまに見せると、煉獄さまは黙って私から買い物袋を奪った


『え?煉獄さま!?』


「持ってやろう!丁度蝶屋敷に行く用事もあったからな!」


煉獄さまがそういって笑みを浮かべるので、いろいろ買って重かったし、思いきってお願いすることにした


『…では、申し訳ないのですが、お願いしてもいいですか?』


「嗚呼!」


煉獄さまは片手で私の頭をぽんぽんと撫でると、私に問いかける


「…それで、あとは何だ?」


『あ、はい、えっと…』


覚書を確認すると、残りは1つだった


『…残りは、玉葱です』


「それで終わりか?」


『はい』


「ならば、さっさと済ませてしまおうではないか!」


『はい!』


そう言って歩きだした煉獄さまのあとを、さっそく続くのだった…







その後、煉獄さまのお陰で、身軽に買い物ができた私は、荷物を持ってくださっている煉獄さまと共に、蝶屋敷へと戻ってきた


『ただいま帰りました!』


そう声をかけて屋敷に入ると、カナヲちゃんが出迎えてくれた


『…あ!カナヲちゃん!』


「お帰りなさい、みのり。師範は、今は薬の調合中なの」


『あぁ、そう言えば…』


そう言われたような…


私は、煉獄さまのいる後ろを振り返り、謝る


『すみません、煉獄さま…』


「いや、構わんさ!」


『でも、なにか用事があったんじゃ…』


私がそう呟くと、煉獄さまはにっかりと笑った 


「いや、もう用事は済んだからな!安心していいぞ!」


『え、そうなんですか…?』


「あぁ!…この荷物は、ここに置いていいか?」


煉獄さまはそう言うと、持ってくれていた荷物を玄関に置いた


『あ、はい!ありがとうございました!』


「ではな!」


荷物を置くと、煉獄さまはそう告げ、笑って屋敷から出ていった…





炎柱、煉獄杏寿郎との遭遇

(…それにしても、煉獄さまの用事ってなんだったんだろう…)



ーーー
実は、主人公を屋敷まで送り届けるのが用事な煉獄さん



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