今日から保護者です/義勇


私は、生まれつき稀血と言われる体質だった


その体質のせいで、鬼には頻繁に襲われるし、家族も鬼にしょっちゅう襲われる私のことを気味悪がられるし、最悪だった


そんなときだった









「お前が江藤みのりか」


『はい…?』


買い物から帰る途中に、軍服のようなものに身を包み、珍しい羽織を羽織っている男性に声をかけられた


『そうですけど…どなたです?』


「お館様の命により、お前を屋敷へ招待しにきた」


『え…?』


おやかたさま?やしき?


何の話?


私が驚いていると、家からおじいちゃんが出てきて男性を見ると声をかけた


「ん?あぁ、鬼殺隊の隊士がようやく来たか。みのり、いっておいで」


『おじいちゃん!?どういうこと!?鬼殺隊ってなに?!』


「ほっほっほ、おじいちゃんは元鬼殺隊の柱でなあ、お前の血のこともあってお前をお館様の所に預けようと思ってなあ」


『私の血って…稀血ってやつ?』


私の頭の中ははてなマークが飛び交っていた


そんな私を横目に、彼に声をかけるおじいちゃん


私の頭の中は更に混乱する


「それにしても久しいな、冨岡くん」


「お久しぶりです、江藤さん」


『おじいちゃん知り合いなの!?』


「あぁ、だから言っとるだろ、もと柱なんだよ」


『柱ってなに…?』


「なに、その辺のこともお館様に聞いておいで」


おじいちゃんはそう笑うと、家に入り扉を閉めてしまった


『ええええ…』


「…行くぞ」


『え!?ちょっと!?』


冨岡さん?はそう言うと私を横抱きにして駆け出した


『何でこの格好なんですか!?』


「舌を噛むぞ」


『答えてください!!』


「…その方が早いからだ」


『そんな…!』


そんな風にぶっきらぼうに言う冨岡さん


彼は真っ直ぐな瞳をしていた









ー… 


「お館様、例の女を連れてきました」


私はあるお屋敷の部屋の前に控えさせられていた


部屋のなかではボソボソと話がされている


私には何を話しているのか聞こえないけど


「…では、失礼します」


どうやら話が終わったらしい


冨岡さんが出てきた


「こい」


それだけ言うと冨岡さんはすたすたと歩いていってしまう


『あ、待ってください!』


私はあわてて着いていく


彼が向かったのは、さっきとはまた違うお屋敷だった


「ここを自宅だと思って寛げ」


『は…?』


どういうことかわからずすっとんきょうな声が出る


「しばらくの間、俺がお前を保護することになった」


『…は』


え、ええええええええ!??!








今日から保護者です

(そんな馬鹿な…)


ーーーー

続きます


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