俺の役を取るな/炭治郎


『炭治郎…っ!炭治郎!!私なんかを庇って…!無茶しないでよ…!』








「う…」







あのときは、私が未熟だったから…


 




私を庇い、炭治郎が大きな傷を負ってしまった









そのときは応援が来てくれてなんとかなったが、








あの日









私がもっと強かったら…

 




知識があったら…








そう思わなかった日はない
 







あれからただひたすらに刀を振るい、






強さを求め、








そのあとは書庫に籠り、








勉学に励んだ







お陰で、この一年でだいぶ強くもなったし、薬学や医学についての知識も得た







そんなとき







また、任務へ出ることになった







ここのところ、治療と訓練に専念していたから、実際にはどれくらい強くなったのかわからない


 




そんなところへの任務だった








任務先へ向かうと、なんと… 








「…あ、ようやく来た。待ってたぞ、みのり」








『…たん、じろう…』







任務は二人で行くと聞いてはいたが、まさか炭治郎だったとは…








わたしは嫌な予感がした








嫌な予感は的中し、この間、私達を苦しめた鬼の生き残りが待っていたのだ








「みのりは下がってろ」







炭治郎は警戒心を最大まであげ、私を背中を庇い、戦おうとする







…でも、違う








私はもう、守られているだけの足手まといじゃない!!







『炭治郎、下がって!』








「!?みのり!?」








驚く炭治郎を他所に、私は炭治郎を飛び越え、鬼に切りかかっていく






「無駄だ!」







呉には血鬼術で目眩ましをかけてくるが、私は心を落ち着け気配をたどり、鬼の位置を当て、切った





「なん…だと…!?」








鬼の首が飛び、驚きに見開かれている



 




私はふうと息をつき、刀を下ろした







「みのり!無茶をするな!肝が冷えたぞ!!」







炭治郎がそう言いながら走ってくる







『だって…もう、足手まといになりたくなかったから…』







そう呟くと、炭治郎は悟ったように笑った








俺の役を取るな

(別に足手まといだなんて思ってないよ。お前を守るのは俺の役目でありたいってだけだ)(炭治郎はそう笑ったのだった)


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