04:雪の降り始め


しばらくして目が覚めると、ご飯が運ばれてきた


体に触らないように、スープの食事だった


それを、ゆっくり食べて、また横になった


『…はぁ…』


どうやら、私の体には大きな切り傷が至るところにできていたようで、それを治すのに時間がかかっていたらしい(この世界では)


ようするに、この体の主が、死と生の瀬戸際をさ迷っている間に、私がこの体に入ってしまったと…


でも、どうやら聞くに一度心臓が止まったらしいから、もしかしたら前のこの体の持ち主が亡くなったから私が呼び寄せられたのかも…


そんなことを考えていると、女中さんがきた


「お嬢様、お体をお拭きします」


『あ、はい…』


お風呂に入ったら駄目なんだろうか…


「湯浴みはお体に障りますので…」


『あ、はい…』


どうやら顔に出ていたらしい…


女中さんが持ってきてくれた桶に、暖かいお湯と布が入っていて、部屋の扉を閉めると服を脱ぎ、ゆっくりと体を拭いてもらった


『…ふう…』


気持ちいい…


「汗を一杯かいていらっしゃいましたからね。しっかりお拭きしますね」


『すみません、お願いします』


「はい、かしこまりました」


ゆっくり優しく体を拭かれ、気分が一新される


「…はい、終わりです」


『はあ、ありがとうございました』


「いえ」


女中さんは私が着替え終わったのを見届けると、終わった桶を持って部屋を出ていった


『…あ、雪…』


庭に目をやると、どうやら雪が降り始めたらしい


道理で寒いと思った


私はしっかりと布団をかぶり、目を閉じた


明日は積もってるかな…







雪の降り始め

(なにかが始まる予感)
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