03:見つけた命


ー少し前ー

炭治郎視点


町へ炭を売りに行った日の帰り道


森を歩いていたら、血の臭いがした


「っ!誰かが怪我をしてるんだ!」


俺は急いで匂いの方角へと走る


すると、血まみれの少女が倒れていた


「っ!だ、大丈夫ですか!?」


慌てて駆け寄り、体にまだ温もりがあることを確認すると、急いで町へと逆戻りをした


助けられるだろうか


…いや、助けるんだ!


どうやらこの子は良いところのお嬢様だったみたいで、町につくといろんな人がこの子を探していたらしく、いたぞ!お嬢様だ!なんて言っていろんな人が駆け寄ってきた


「今すぐお医者様に見せないと…!」


「そうだな!今すぐ町医者を呼べ!」


そんな一連の流れをみていると、女中さんらしい人が歩いてきて


「…お嬢様を見つけてくださってありがとうございます。よかったら上がってってくださいな」


「え、いいんですか?」


「ええ、疲れたでしょう?」


確かに俺は、彼女を急いで運んできたので息も絶え絶えだった


その女中さんに通され、彼女の部屋の隣の部屋に通された


隣の部屋にバタバタといろんな人が出入りしている


それから何時間も立って…どうやら落ち着いたみたいだ


俺を通した女中さんが部屋に入ってきた


「炭治郎さん、お嬢様がやっとやっと峠を越されたようでございます」


「あぁ、よかった…」


漸くほっと息をつくことができた


「本当にありがとうございます。炭治郎さんが見つけてくださったお陰でございます。なんとお礼を言ったらいいか…」


「そんな!俺はここまで運んできただけです。後は、お嬢さんの生命力ですよ」


そう言って笑うと、女中さんは泣き笑いをこぼした


「ありがとうございます…」


「それじゃあ、俺はそろそろ行きます。家族も心配してると思うので」


「そうですね、長々とありがとうございました」


女中さんに見送られて、俺は家へと帰った







見つけた命

(よかった、助かって)
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