22:仇


寝て起きて、今日は最終選別の日だ


着替えて、藤の面を被り、私を待っててくれてた花山師範と一緒に鱗滝さんの家へいく


鱗滝さんの家でも、炭治郎くんの準備が終わったようだった


「…!…みのり。もう準備が終わったのか」


『うん、まぁね』


「そうか。俺ももう終わった」


炭治郎くんと鱗滝さんが外に出てくる


「…炭治郎、みのり。妹と共に待っている。必ず生きてもどれ」


「死ぬことは許さんからな」


『「はいっ!」』


二人の師範からの言葉に、私たちは揃って返事した


『行ってきます!』


「錆兎と真菰によろしくー!」


出てしばらくしてからそう声をかけて道を進んだので、炭治郎くんが鱗滝さんにかけたその言葉に、鱗滝さんが


「…!…炭治郎…何故お前が死んだあの子達のことを知っている…」


と呟いていたことを、私たちは知らなかった



私たちはひたすらに進んで、最終選別の藤襲山へとたどり着いた


藤襲山の麓には一年中藤の花が狂い咲いており、山の上にいる鬼は降りてこれないらしい


その山のなかで七日間生き抜くこと、それが最終選別の合格条件らしい


「「では、いってらっしゃいませ」」


私と炭治郎くんは顔を見合せ、無言で頷きあい、山の中へと足を踏み入れたのだった








まずは、一番最初に日が昇る場所に向かうのがいいだろうということで、私たちは東へ向かっていた


そこへ、鬼の音


私と炭治郎くんは同時に鬼を避けた


4匹…か…


緊張からか自然と呼吸が乱れるのがわかった


だめだ、呼吸を使わなきゃ


未来に言われたことを思い出せ…!


ー全集中…!ー



私は呼吸方を意識した


『花の呼吸、壱の型!百花繚乱舞!』


花びらが舞い、その花びらで鬼を切った


『はぁっ…はぁっ…はぁっ…』


良かった…技が出せた…!


炭治郎くんも鬼を倒せたらしい


私達の努力は無駄じゃなかった、それが、ただただ嬉しかった


そこへ、


「なんだよ!!あんな異形の鬼がいるなんて聞いて無いぞ!」


と言って逃げてくる男の子が


私と炭治郎くんは顔を見合せる


二人で気配を消し、身を乗り出すと…









凄く大きな、化け物(鬼)がいた




仇〈カタキ〉

(あれが仇だとは、また気付かずに)
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