21:あと少し


ネタバレあり









+炭治郎視点


錆兎と真菰に修行を見てらった結果、なんとか岩を切り、鱗滝さんに最終選別に行くことを認めてもらうことができた


それを早くみのりに伝えたくて、足が逸る


「みのりっ!!」


『わっ!?』


がららっと扉を開けると同時に名前を呼ぶと、彼女は大きく肩を上げて驚いた


『ご、ごめん、うとうとしてて…』


「あぁ、すまない、言いたいことがあって…」


俺がうきうきしながら傍によると、みのりはふにゃりと笑う


『ふふ、私もだよ』


「みのりも?なんだ?」


首を傾げて問いかけると、眠そうなまま何でもない風にとんでもないことを言った


『最終選別に行くことを許してもらったの』


「…!?お前もか!?」


俺は思わず身を乗り出す


『ふふ、お前もってことは、炭治郎くんも?』


「あぁ!ついさっきだ!」


『ふふ、じゃあ、おんなじ日に許してもらったんだね』


その、何でもない"おんなじ日"というのが、どうしようもなく嬉しかった


「そ、そうだな…」


だが、瞼の裏にちらつく、家族の最後


…いや、俺が守れば良いだけだ


俺は首を振って邪念を消した









最終選別に行くことを許してもらったあと、私は緊張の糸が切れて、炭治郎くんを待つあいだ、鱗滝さんのおうちで、うとうとしてしまっていた


すると、がららっと扉が開き、炭治郎くんが帰ってきた


どうやら、今さっき最終選別に行くことを許してもらったらしい


おめでたいことだ


その日は私も炭治郎くんも、鱗滝さんと花山師範の振る舞ってくれる美味しいご飯を食べて、幸せだった



『…にしても、炭治郎くん大分髪の毛伸びたよね』


「あぁ、今日切ってしまおうと思うんだ」


『え、そうなの!?勿体無い気もするけど…』


「はは、そんなことはないさ。…そうだ、自分だとうまく切れないから切ってくれるか?」


『え?う、うん…』


き、緊張する…


鱗滝さんから鋏を借り、構える


『どのくらい切る?』


「任せるよ」


『わ、わかった…』


任されたので、邪魔にならないくらいだけ切ることにした


その間に、鱗滝さんから鬼の強さは人を喰った数だと教えて貰ったり、炭治郎くんは鱗滝さんから、厄除の面を、私は私は花山師範から藤の面を貰った


藤の面は、その名の通り、面に藤の花が添えられている


『「ありがとうございます!!」』


「…絶対にここに戻ってこい」


「待っているからな」


「はい!」


『炭治郎くんは私が守りますから!』


「なっ!」


私が自信満々にそう言うと、炭治郎くんは顔を真っ赤にした






あと少し

(最終選別は、明日から)
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