14:起こる不幸
私は、竈門家に来てから家事を手伝うようにした
料理が得意だったから、料理を主に洗濯や掃き掃除も
葵枝さんや禰豆子ちゃんは、「すごく助かる」と喜んでくれた
私がいた時代より料理も洗濯も掃除も大変だけど、二人が喜んでくれる度、私は頑張ろうと思った
「おーい、みのり、これから町に降りて炭を売ってくるよ」
『あ、本当?じゃあお弁当としておにぎり作るから少し待ってて!』
「あぁ、わかった」
こんなやり取りも増えた
『…よし、できた。はい、気をつけて行ってきてね』
「ああ。じゃあ行ってくる」
『うん。…あ、炭治郎くん、ちょっといい?』
「?なんだ?」
炭治郎くんの顔に炭がついていたので、手拭いで拭ってあげる
『…はい、よし。炭がついてたよ』
「…あ、ありがとう…」
炭治郎くんは少し頬を赤くして微笑むと、気をとり直し向かった
「それじゃあ行ってきます!」
『うん、行ってらっしゃい!』
私はそれを見送るのだった
そんな日々が続いたある日
同じように炭治郎くんが炭を売りに行った日
何故かなかなか炭治郎くんが帰ってこず、先に寝ることになった
私たちがいつもと同じように就寝しようとしたが、私は寝付けず山を少し降りた所で、炭治郎くんを待っていた
そこは、あの日炭治郎くんが言っていた藤の花が狂い咲いている所で、私は藤の花と月を見ながら炭治郎くんを待っていた
何枚も布を巻いて、寒さ対策をして
でも、いくら待っても炭治郎くんは帰ってこず、私はそこにあった小屋で寝てしまった
翌日…
「っ…い…おい、みのり!」
『っ!』
翌日、私は炭治郎くんに起こされて目を覚ました
『あれ…炭治郎くん…お帰りなさい…』
「ただいま。こんなところでどうしたんだ?」
『炭治郎くんの帰りが遅くて心配で、ここで帰りを待ってたんだよ…』
目を擦りながら言う
「そうか…そんなに心配させてごめんな。帰りに三郎じいさんに泊まっていけと言われてな。三郎じいさんの家で一泊させてもらってたんだ」
『そっか…怪我はないのね?』
「ああ、ないよ」
『そっか…』
無事なことに安心し、胸をほっと撫で下ろす
「さ、帰ろう」
『うん』
二人で帰って目の当たりにしたのは…炭治郎くんのご家族の、血の海、だった
起こる不幸
(家族の血の海)