12:竈門家との対面


お屋敷の人たちを埋葬してから、私は炭治郎くんに手を引かれ、山の中へと足を踏み入れた


「いいか?山歩きのこつは、歩幅を狭くすること。歩幅を広くすると、歩幅と体の釣り合いが取れなくなって疲れ易くなるんだ。だから、歩幅は狭くすること。いいな?」


『うん、ありがとう』


炭治郎くんの教えてくれたこつのお陰で、なんとか最初の方はあんまり疲れずに歩くことができた


だが、やはり山道


疲れは出てくる


「…大丈夫か?もうすぐだから」


『う、うん…』


どれほど歩いたかわからない


気付いたら炭治郎くんのおうちについていた


「…炭治郎?」


「母さん」


家の中からきれいな女の人が出てきた


どうやら炭治郎くんのお母さんらしい


なんと美人な…!


「はじめまして、みのりさん。炭治郎の母です。炭治郎から話は聞きました。どうぞ、家でよければ居てくださいな」


『え、いいんですか…!?』


なんて優しい親子だろう


私は心から感謝し、頭を下げた


『ありがとう…ございます…!』


「そんなに畏まらないで。ここを家だと思って寛いでくれていいのよ」


『そんな…』


また瞳が潤む


「そんなに泣くな」


炭治郎くんが背中をさすってくれる


「炭治郎、まだ傍に居てあげなさい」


「うん、わかった」


「禰豆子ー!」


『…?』


炭治郎くんのお母様(葵枝さんと言うらしい)が、誰かを呼ぶ


「はーい!」


呼ばれた女性は私を見ると驚いた顔をする


「だ、大丈夫ですか!?お兄ちゃんなに泣かせてるの!!」


「お、俺が泣かせたんじゃないよ!!」


「実はね…」


呼ばれたのは妹さんらしい


お母様から妹さんさん(禰豆子さんと言うらしい)に話が行く


「そんなことが…みのりさんっ!」


禰豆子さんが私の両手を握る


「辛かったですね、ゆっくり休んでくださいね!」


と言ってくれた


『…』


…妹さんも優しいんだなぁ…


ポロポロとまた泪が溢れる


くいくい


「おねえちゃん、かなしいの?」


「いたいの?」


禰豆子さんに続いて他の妹さんや弟さんが来る


『…そうねぇ。確かに、痛いし、悲しいなぁ』


「ーっ!」


初めて私が溢した弱音に、炭治郎くんがはっと息を飲む


『でもね、二人のお兄ちゃんが居てくれたから、お姉ちゃんは大丈夫になったんだよ』


そう言うと


「ほんとうー?」


「お兄ちゃんすごーい!」


と騒ぐ


「…ごめん、騒がしくて」


『ふふ、いいよ、なんだか楽しいから』


炭治郎くんが少し顔を赤くして謝ってきたので、私がそう笑うと、炭治郎くんも笑ってくれた








竈門家との対面

(はじめまして、竈門さん)
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